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調理師、管理栄養士を経て看護師へ。「最後の一食」への想いが導いた新たな挑戦

大阪府大阪市福島区・野田にある医療法人社団美咲会えびえ記念病院の地域包括ケア病棟で働く病棟看護師

地域包括ケア病棟 看護師 Fさん

調理師として8年、管理栄養士として15年のキャリアを積み、NST(栄養サポートチーム)専従として多くの患者さんやご家族と関わってきた。「もっと患者さんの力になりたい」という思いから、看護師の道へ進み、2022年に准看護師としてえびえ記念病院でアルバイトをスタート。2025年春に正看護師として地域包括ケア病棟へ配属。

▼目次
1.管理栄養士から看護師へ
2.えびえ記念病院を選んだ理由
3.印象に残っている患者さん
4.「こんなに仲のいい病棟があるんだ」
5.目標は専門看護師、挑戦できる環境

「最後の一食」に寄り添いたい。管理栄養士から看護師を志した理由

私はもともと、幼稚園の頃からの夢だった調理師として働いていました。はじめは創作料理をしていたのですが、「食べ物で病気を治したい」という思いが芽生え、栄養士の資格を取得。病院の調理現場で栄養指導に携わるようになりました。そうして患者さんと関わるうちに、今度は「病気そのものに向き合いたい」という思いが強くなり、より専門的に関われる栄養サポートチーム(NST)を志して管理栄養士の資格を取り、NSTの一員として働くようになりました。

NSTは、栄養状態の悪い患者さんを医師と一緒にラウンドし、集中的に治療していくチームです。リーダーのような立場で医師と動く中で、患者さんの背景やご家族と話す機会がとても多くありました。そうやって患者さんを知れば知るほど、「もっと役に立ちたい」という気持ちが強くなっていきました。管理栄養士が支えられるのは栄養の面だけ。看護師ならもっと全体から患者さんを支えていけると考えるようになりました。

もう一つ大きかったのが、ターミナルの患者さんと関わった経験です。人が生まれた時はお食い初めのようにお祝いをするのに、亡くなる前の「最後の一食」にはあまり関心が向けられないことが多くて。「もう食べられないから点滴に」となってしまうことが、私にはすごく寂しく感じられました。それで当時の看護部長さんや看護師さんと気持ちを話し合い、言語聴覚士さんにも入ってもらって、まだギリギリ飲み込める患者さんに「最後に何が食べたいですか?」と伺って、それをお出しするという取り組みをしていました。

そうした経験を重ねるうちに、患者さんが「早く楽になりたい」ではなく、「もっと生きたい」と思えるような看護がしたいと思うようになりました。

15年続けた管理栄養士の仕事から、看護師への挑戦には不安もありました。慣れた場所に留まる方が、ずっと楽だったと思います。でも、やらずに後悔するのは嫌だ。挑戦した方が自分の気持ちも前を向くし、やりがいがある。そう思って、看護師への道を選びました。

一人の患者として救われた病院。えびえ記念病院を選んだ理由

看護師として働く就職先として、えびえ記念病院を選びました。理由の一つは、住んでいる地域が近く、地域密着で丁寧に患者さんを診てくださっているという安心感があったことです。

私自身がこの病院に救われた経験があります。栄養士として働いていた頃、別の病院を受診した際に、なかなか納得のいかない診察を受けたことがありました。すごくしんどいのに、その辛さを分かってもらえなかった。そんな時に、えびえ記念病院を受診したところ、しっかり話を聞いてくださって「それはしんどかったね」と気持ちを受け止めてくださった。200床近くの規模の病院でありながら、一人ひとりをここまで丁寧に診てくださるのかと感じ、「この病院で働けたらいいな」と思ったのを覚えています。

大阪府大阪市福島区・野田にある医療法人社団美咲会えびえ記念病院の地域包括ケア病棟で働く病棟看護師

働いて知った看護の奥深さ

「試験にも合格して、やっと看護師になれた」そう思って実際に働き始めると、看護師の仕事は想像以上に大変でした。それは、命の重みが常についてくることと、求められる知識の幅広さです。

自分が患者として受診していた時、看護師さんはさりげなく優しくて、こちらがしんどい時にすっと気付いてくださった。その観察力を、私たちは当たり前のように受け取っていましたが、いざ自分が提供する側に回ると、気付けないことがたくさんあって。先輩方は「目をいくつ持っているんだろう?」と思うくらい患者さんをよく見ていて、パッと見ただけで何が必要かまで判断して自然に動いていらっしゃる。その知識量と奥深さに、なかなか追いつけませんでした。

自分が出来なさすぎて落ち込んだ時には、「栄養士のままの方がよかったのかな」と思った瞬間も正直あります。それでも、自分が目指して進んできた道です。つまずいても前進して、より良い看護ができるように自分を磨き続けることは、諦めてはいけないなと思っています。そうして続けていく中で、少しずつ自分にできることが見えてきました。

「死んだ方がよかった」から「自分の体が可愛い」へ

まだ看護師になったばかりの私ですが、「看護師になれてよかった」と思えた出来事があります。大腸がんでストーマを造設された患者さんがいました。今までトイレに行っていたのが、袋がついてそこに便が出てくる。自分の体が変わってしまったショックで心を閉ざし、「こんなんなら死んだ方がよかった」とひどく落ち込んでおられました。

私は「それも自分の体だから、愛着を持てば、だんだん愛おしくなってくるはず」とお話をさせていただき、「不安なことは一緒に考えるので、話してくださいね」と関わっていきました。「今、何が不安ですか?」「一度、このやり方を一緒に試してみましょうか」と試行錯誤しながら一緒にやっていくうちに、「今日はこれができたね」「こっちの方がいいね」と一緒に悩んだり喜んだりして、少しずつ心を開いてくださり、たくさんお話ししてくださるようになりました。最後には「今の状態でも、自分の体が可愛いと思える」とまで言って、前向きに退院していかれました。その時、看護師になった私が、少しはお役に立てたのかなと感じました。

この経験を通して、学生の時から持っている「患者さんと常に一緒に」と言う看護観を再確認できました。『看護師対患者さん』という構図で患者さんを置いてけぼりにするのではなく、同じ立場で寄り添い、一緒に考えながら進んでいく。信頼していただけることで、より良い看護にもつながっていくと考えています。

大阪府大阪市福島区・野田にある医療法人社団美咲会えびえ記念病院の地域包括ケア病棟で働く病棟看護師

嚥下も、食形態も。管理栄養士の経験が看護に活きる

看護師になった今も、管理栄養士としての経験が活きる場面はたくさんあります。食事介助の際、患者さんが食べにくそうだと感じたら、「自助食器を使った方が食べやすいのではないか」「食形態はミキサー食や刻み、とろみをつけた方がいいのではないか」といった判断が自然と身についています。

検査データも見ますし、当院で採用している栄養補助食品や栄養剤の中で、「これを出した方が栄養が取れるのでは」と栄養士さんに相談させていただくこともあります。患者さんがしっかり食べられることは健康状態に直結するので、せっかく身につけた知識は今後も活かしていきたいです。

レベルに合わせて支えてくれた、手厚い教育体制

看護師1年目は、思っていた以上に手厚く指導していただきました。プリセプターさんやほかの先輩看護師の方々が、標準的なやり方に当てはめるのではなく、私自身の“今できているレベル”に合わせて一つずつ教えてくださって。できなかった時は「なぜできないのか」を一緒に考えてくださる、というのを1年間ずっと続けてくださいました。

できなかったところはしっかり学習して次に臨む、というのを繰り返していきました。これだけ手厚く指導していただいたので、自分が働くことで返していきたい。そう思えるような手厚い教育体制・サポート環境を作ってくださっているなと感じています。

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「こんなに仲のいい病棟があるんだ」チームワークの1A病棟

過去に栄養士としていろいろな病院で働く中で、看護師さんの人間関係が厳しかったり、ギスギスしていたりする場面を見ることもありました。

でもえびえ記念病院に入って働いてみると、先輩たちはみんな優しくて、分からないことも声をかけて指導してくださり、スタッフ同士がお互いに助け合って、困っている人を見たら声をかけ合っている様子が多く見られます。「こんなに仲のいい病棟があるんだ!」と驚きました。私よりも歳の若いスタッフが多いのですが、みんなとてもしっかりしていて、お互いの仕事を見て「フォローしなきゃ」と自然に協力し合っている姿に、いつも感心させられています。

1A病棟は、2階・3階・4階の3フロアにまたがっています。動線の面では、患者さんのもとへ行くのに時間がかかったり、目が届きにくかったりと、大変さもあります。みんながそれぞれ困った経験があるからこそ、お互いのことを気にかけていて、別のフロアに行ったついでに様子を覗いて情報を共有してくれる、ということがよくあります。みなさん視野が広くて、お互いのことまで考えて働いている人が多い病棟です。

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目標は専門看護師。「やりたい」があれば挑戦できる病院

直近の目標は、看護師を目指した時からの目標である、ターミナルケア分野の専門看護師の取得。そこに向けて自己学習を続けながら、先輩方の指導も受けつつ、今度は自分が先輩の立場になっていきたい。自分を磨きながら指導もできる、もっと上を目指せる看護師になっていきたいと思っています。

えびえ記念病院には、本当に個性豊かな人が集まっています。小さなお子さんを育てている方も、若い看護師さんもいます。1週間まとめて連休を取得して海外旅行に行った先輩もいて、プライベートを大切にしたい方には向いています。

私自身、この年齢で、遅い時期から看護師をスタートさせてもらいました。それでも、どんな人でも受け入れてもらえて、お互いの生活を尊重して助け合える環境があります。「看護師の仕事をしたい」という気持ちさえあれば、しっかり受け入れてくれる体制が整った病院です。ぜひ、チャレンジしてみてください!

(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)


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