高度救命・救急センターで働いていた私が、えびえ記念病院で見つけたやりがい
高度急性期病院の救命センター・ICUで4年間勤務。2021年7月に現在の医療法人社団 美咲会 えびえ記念病院に入職。新型コロナウイルス専門病棟に所属。感染委員会はじめ臨床検査・輸血・薬事委員会にも参加し、コロナ専門病棟に入院患者がいない時は他病棟の応援看護師として勤務。
▼目次
看護師としての歩み
えびえ記念病院を選んだ理由
当院で働く魅力・今後の目標
座右の銘
看護師としての歩み
- 日本のどこでも求められる看護師に
もともと私は、美術や音楽の世界で働くことを思い描いていました。アメリカの大学に進学し、芸術・音楽の勉強をして日本に帰国したのですが、自分の生活基盤を整えるために「資格・免許があった方がいい」と考えました。
また、私は様々なことに興味を抱く人間であり、行動派な側面があります。そのため「日本全国どんな場所でも求められる仕事は?」と考え、「看護師であれば、高い倫理観を持ち、技術をしっかりと習得していれば、日本全国どこでも必要とされるはずだ」と考えました。
働くことが、自分の生活だけでなく、他の人の助けになれることも魅力でした。そのような考えで、看護師になることを決意しました。
- 厳しい環境で、己を磨く
看護師は人の命を預かる仕事。不安がなかったかと言えば嘘になります。だからこそ、まずは救命センター・ICUといった高度急性期の患者さんが運ばれてくる過酷な現場で自分の力を磨きたいと考えました。
「どういう状況になると、患者さんの命が危ないのか?」
「どういう状況になれば、患者さんが回復しているのか?」
患者さんの命を守るために、正しくアセスメントできる能力を身に付ける。救命救急はとても厳しい現場であることは分かっていましたが、若いうちこそ厳しい環境に身を置いて、多くを学びたいと考えました。
えびえ記念病院を選んだ理由
- 重症化する前に、私にできることがある
以前勤務していた病院で看ていた新型コロナウイルスに罹患した患者達はすでに重症化しており、人工呼吸器の装着は当たり前で、場合によってはECMOの利用がある方達ばかりでした。このような重症患者の方々と関わる中で、「重症化する前になんとかしなければ」と強く考えるようになりました。
ある患者さんは血液の凝固異常をきたしており、ECMOの回路交換を行えず、ECMOの回路の寿命=この患者さんの生命、という状態でした。救命の現場であるにも関わらず、命を救ってあげられない。このようなケースがいくつもありました。「こんな最期を望んでいたのか?重症化する前に何かできたのではないか?」と強く考えさせられました。
「重症化する前に自分が果たせる役割があるはず」このような考えで、中・軽症のコロナ患者を受け入れている当院への転職を決めました。
- コロナ禍で作られた看護観
看護学校でも「あなたの看護観は?」というのは早い段階から問われますが、ほとんどの人が答えられません。みんな実習とかを経験してそれなりの言葉を口にはするけれど、「これでいいのかな?」という不安がありました。私自身は「倫理観を大切にした看護をしよう」とは考えていましたが、『看護観』と呼べるような考えは持っていませんでした。しかし、コロナ禍の医療現場で働くなかで、実際に喋れていた人が急に重症化して喋れなくなってしまう。人工呼吸器を装着しなければいけなくなる現場を目にしたことで、「もっと早期にできることがあったのではないか」と振り返りました。
『重症化の予防』
そのためには患者さんのADLの低下を予防する。日常生活へのスムーズな復帰を意識しながら看護・ケアにあたる。コロナ禍を経験して作られた、私の看護観です。
- 新しく見つけた役割とやりがい
現在は中・軽症の新型コロナウイルス罹患患者を中心に介入しており、呼吸筋リハビリを中心に呼吸状態の重症化の予防に努めています。また、高齢の患者さんも多いため可能な限りADLの低下を予防し、スムーズな退院・日常生活への復帰を意識して日々看護をしています。元気に退院する患者さんの姿を見ることが、一番のやりがいです。
当院で働く魅力・今後の目標
- 変化をチャンスに
医療法人社団 美咲会 えびえ記念病院は2022年より新体制となりました。患者さんだけでなく、医療従事者のために内外部から様々なアイディアを取り込み、成長しているところです。
患者さんを大切にするためには、医療従事者である私たちが働きやすい病院を作ることが大切です。理想の病院のビジョンがあり、その理想の病院に近づけるために行動ができる方と一緒に働けたらと強く思います。
- 大病院との違いを受け入れる
当院は、地域に根ざした歴史ある病院です。医療機器等の設備面では、ある程度年数が経っている部分があるのは事実です。すべてが最新設備という訳ではないため、それらを扱う医療従事者は、患者さんの安全をしっかり守れるようにきちんと学ばなければいけません。
私自身、規模の大きな高度急性期病院からの転職であったため、環境の変化に当初は戸惑いました。しかし、先輩方から丁寧に指導していただけたことや、アサーティブな意見交換ができたため、スムーズに新しい病院に馴染めたように思います。
- これからの目標
昨今、世界的に様々な感染症が蔓延して問題になっています。新型コロナウイルスに限らず、人々の命を奪い去る感染症は、我々の身近にも多数存在しているのです。そのため、患者さんの安全を守るために、感染症についての知識を深め、万全な対策をしていきたいと考えています。病院全体で考えたときに、感染管理の認定看護師がいることで貢献できる部分が大きいようであれば、そういった資格取得を目指すことも考えていきたいと思います。
私生活の方では、看護師として働きながら、余暇の時間をうまく使って美術や音楽を続けていきたいと考えています。様々なコンテンツを消費するだけになってしまっているため、何かクリエイティブな活動ができるようになることが目標です。
座右の銘
「親しき仲にも礼儀あり」
自身の近しい人たちを大切にするための言葉です。当然ではあるのですが、初めて交流を持つ方やあまり面識のない方には、自分の近しい人達以上に礼儀を大切にする必要があると意識させてくれます。当たり前のことが当たり前にできるように、この言葉を大切にしています。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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