急性期から在宅まで。訪問リハビリを立ち上げたえびえ記念病院で、”退院後の暮らし”を支えるセラピストへ

リハビリテーション科 科長 安達/作業療法士
車のディーラーで整備士として働いたのち、専門学校で学び直して作業療法士に。2004年に京都の病院へ就職し、2010年に松本病院(現・えびえ記念病院)へ入職。入職後は作業療法科の主任を経て、2016年頃からリハビリテーション科長を務めています。今春の訪問リハビリ立ち上げ、この10月からの病棟配属制への移行などを推進中。
▼目次
1.目指すのは「退院したその先」の暮らし
2.訪問リハビリで見えた「暮らし」
3.病棟配属制で深める専門性
4.相談しやすい、働き続けられる環境
5.就職を検討中の方へ
車の整備士から、リハビリの道へ
私は今の仕事に就く前、車のディーラーで整備士として働いていました。その後、3年間専門学校に通い、28歳のときに作業療法士として京都の病院に就職しました。
そこで5年ほど経験を積んでから、2010年に松本病院―今のえびえ記念病院に移ってきました。入職してから作業療法科の主任、そして2016年頃からリハビリテーション科長を務めています。
病院で完結させない。目指すのは「退院したその先」の暮らし
学生さんが見学に来られたときや採用面接の場で、私はいつも「えびえ記念病院のリハビリテーション科は、退院したその先の生活まで見ています」とお伝えしています。
当院はもともと、急性期から回復期までのリハビリを提供する病院でした。そして、2026年春から訪問リハビリを立ち上げたことで、その先の“在宅”までを見据えられるようになりました。
これまでのリハビリは、どうしても「病院の中で生活ができるようになったら退院」というところに落ち着きがちでした。でも本当に大切なのは、退院した後、ご自宅での生活まで考えた関わりができているか、というところです。
訪問リハビリが動き出したことで、「あの患者さんは、家に帰ってこんな生活をされている」という情報が入ってくるようになりました。「もう少し準備が足りなかったな」「家に帰れると思っていたけれど、実際の暮らしは大変だったんだな」そんな“答え合わせ”ができるようになりました。だからこそ、私たちリハビリテーション科は、退院後の生活のフィードバックや訪問リハビリ・訪問看護と連携した勉強会も含めて、「どのような状態の方でも、可能な限り家に帰るための努力を惜しまない」というところまでをカバーできるチームでありたいと考えています。

病院では見えなかった「暮らし」が見える強み
訪問リハビリが立ち上がる前は、退院した後の患者さんの様子は、なかなか追いかけられませんでした。退院後は別の事業所の訪問リハビリが入ることも多く、こちらからはサマリーを書いてお渡しして終わり。先方からも、その後どうなったかが返ってくることはほとんどありません。他の事業所とのあいだでは、どうしても情報のやり取りが難しいのです。
それが、自前で訪問リハビリを持てたことで、スタッフ同士が常に情報を共有できるようになりました。病院と在宅のあいだで、常に新鮮な情報が行き来する。ここが、今のえびえ記念病院の大きな強みだと感じています。
院内と在宅では、やはり環境が違います。院内でのリハビリは、お部屋からリハビリ室までの往復や、少し外を歩くくらい。けれど実際にご自宅へ帰れば、買い物に出かけたり、家事という役割を担ったりと、生活そのものが動き出します。そうした生活主体の細やかな着眼点は、病院の中だけで働いていると、なかなか持てるものではありません。
訪問リハビリのスタッフからフィードバックをもらうようになったことで、院内のリハビリスタッフも「そこまで考えられていなかった」と気付けたことが多くあったようです。実際に、訪問リハビリが介入されていた方が再入院してきたときには、「訪問中はどんな様子でしたか?」と、自然と尋ねるようになってきました。以前なら「また入院されたな、ではリハビリを」で終わっていたところです。また、退院前にご自宅へ伺い、実際の生活動作を一緒に確認する「家屋訪問」の件数も増えてきています。「この方は本当に家に帰れるのか」を見極める、大切な機会になっています。

あらためて問う「患者ファースト」
もう一つ、今年のリハビリテーション科のテーマに掲げているのが、「スタッフの接遇」です。
患者さんと関わっていくなかで、距離が近くなりすぎて、つい馴れ馴れしくなってしまうことがあります。関係性を築くこと自体はとても大切ですし、時にはそうした距離感が必要な場面もあります。ただ、大前提として、私たちは目上の方を相手にする仕事です。そこは違えないようにしたいのです。
関係が近くなりすぎると、知らず知らずのうちにセラピスト側の自己満足が入り込んでしまうこともあります。「患者さんはこう言っているけれど、こちらのほうがいいから」と、患者さんの想いやニーズを聞き出しきれないまま進めてしまう。“患者ファースト”のつもりが、いつのまにか“セラピストファースト”になりかねない。そうならないように、患者さんの不安や負担に配慮した丁寧な対応をしよう、と呼びかけています。そうした積み重ねが、患者さんが安心してリハビリに取り組める環境につながると考えています。

病棟配属制で深める、専門性という強み
以前までは、当院の特色として「急性期から回復期まで、各時期に合ったリハビリを一人のセラピストが担当する患者担当制」をお伝えしていました。ですが、この10月からは、病棟配属制へと変わります。
これまでの個別担当制の良さは、ローテーションなどで残しつつ、病棟配属制に移ることで、より一層多職種連携を強化していきます。一貫して一人の患者さんを追いかけにくくなるという面はありますが、それぞれの時期に対する専門性は、より高められると考えています。
チームとして急性期から在宅までを一気通貫で見られて、訪問リハビリからのフィードバックまで受けられる。この環境は、えびえ記念病院ならではの特徴だと感じています。
若手が主体的に育つ、教育と役割づくり
教育体制については、チームでの勉強会を続けています。加えて、先輩によるフォローの形を少し見直しました。以前は「新人スタッフは、1年目を終えたら独り立ち」でしたが、それでは少し厳しいという声もあり、2年目のスタッフにも、一つ二つ上の先輩をつけて指導するようにしています。
2年目の指導担当や病棟との橋渡しをする役など、リハビリテーション科内でさまざまな役割を持ってもらうスタッフが増えてきました。若いなりに責任感を持ち、リーダーシップを発揮してくれるスタッフが出てきています。今後も、成長できる機会や役割を積極的に提供していきたいと考えています。

誰にでも聞ける、相談しやすい職場
職場の雰囲気としては、スタッフ間で気軽に相談しやすい環境が自慢です。時間が空くと、あちこちで自然に相談が始まっている。特定のペアで固定しているわけではなく、「これはこの人に聞く、あれはあの人に聞く」と、それぞれが得意な相手を分かったうえで話しかけに行く。誰にでも聞きやすい空気があるのだと思います。
時短拡大と少ない残業、働き続けられる環境
最近は、子育て中のスタッフも増えてきました。時短制度も以前より整い、これまで1時間だけだった時短を、2時間まで拡大しました。上長と相談しながら選べるので、復帰後も働きやすくなってきていると思います。
残業については、月の平均で5時間ほど。役職者はもう少し多くなりますが、それでも2〜5時間程度です。患者さんの退院・転院が続くとサマリー作成が重なったり、退院前の家屋訪問のあとに書類作成が入ったりして、残業になることがあります。若手はまだ家屋訪問の経験が少ないので、指導を受けながら書類を作る分、最初は時間がかかります。そこは、これから慣れていってもらう部分だと思っています。

求めるのは「その先」に面白さを感じられる人
えびえ記念病院として新しく生まれ変わり、人材も集まり、組織としての基礎はこの5年でできました。そして、2026年春から訪問リハビリのスタート、10月からは病棟配属制へと移行し、いわば“第2ステージ”に入ってきています。この新しいフェーズを一緒に進めてくれる人、退院したその先の在宅に向けて考えることに面白みを感じられる人には、ぜひ来てもらえたらと思っています。少しでも興味を持たれた方は、気軽に見学へお越しください。

リハビリテーション室
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
セラピスト募集中!
えびえ記念病院のリハビリテーション科では、急性期から回復期、そして退院後の在宅まで見据えたリハビリを経験できます。患者さんの“その先の暮らし”まで考えるリハビリを目指したい方、また子育てや家庭と両立しながら働きたい方も、ぜひ職場見学・採用情報についてお気軽にお問い合わせください!
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