相談が飛び交う環境だから、一歩踏み出せる。新卒3年目の理学療法士が語るえびえ記念病院のリハビリテーション科

理学療法士 MSさん
大阪市内の専門学校で理学療法を学び、2023年に新卒でえびえ記念病院へ入職。一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、外来を経験し、主に整形外科疾患を担当。3年目からは新卒の後輩指導にも携わる。
▼目次
1.いろいろな病期を経験できる病院
2.心配性だった1年目。プリセプターの存在
3.多職種で共有する患者さんの24時間
4.相談が飛び交うリハビリテーション科
5.一人で抱え込まずに、経験を積める職場
コートサイドで見つけた仕事。いろいろな病期を経験できる病院
小学校から高校まで、ずっとバスケットボールをしていました。高校は強豪校で、今も社会人バスケを軽く続けています。理学療法士という仕事を知ったのも、コートの上でした。強豪校だったので、PTさんがトレーナーとしてチームについてくださっていたんです。「そんな仕事があるんだ」と、そこで初めて知りました。
スポーツも好きでしたし、もともと人の役に立つ仕事がしたいと思っていたので、「これもいいな」と思って、理学療法士について調べ始めました。将来なりたいものが他にあったわけではなく、そこから一気に進路が決まった感じです。
就職先を探すときの軸は、「いろいろな病期を経験できること」でした。一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟と、幅広く経験できるところがいいなと。あとは通勤が便利なところで探していて、その条件で見つけたのがえびえ記念病院でした。実習で来たことがあったわけではなく、自分で調べて見学に行き、「ここで働きたい」と思って決めました。
学生の頃はスポーツ分野に興味があって、そちらに進みたいという気持ちもありました。でも実習で、高齢の患者さんが家に帰ることを目指すリハビリを見て、「こちらも全然いいな」と思ったんです。それに、スポーツ疾患は急性期でも診る機会があります。まずは病院で働いて、機会があればスポーツ疾患も診られたら嬉しいな、という気持ちで入職しました。
期限から逆算する日々。実習では見えなかった仕事の全体像
働き始めて一番驚いたのは、情報共有の量と、期限の存在でした。
実習で見ていた景色とは違って、「多職種と、これだけ情報共有しないと進められないんだ」と驚きました。そして患者さんごとに入院期間には期限があります。その期限から逆算しながら、多職種とカンファレンスをして、家屋調査をして、という流れを早く組み立てていかないといけない。リハビリの時間だけを見ていればいい仕事ではないんだと分かって、最初は大変だと感じました。
学生時代、私は商業科に通いながらバスケットボールをしていて、学校の検定の勉強と部活動を両立させなければいけませんでした。限られた時間の中で両方に取り組むために、時間の使い方や、やるべきことの優先順位を自然と考えるようになっていたと思います。今の仕事で計画を立てて効率よく進めることを求められるとき、あのときの感覚が活きているのかもしれません。
いろいろな経験を重ねて少しずつ慣れてきたので、今は考えるのも少しは早くなったかなと思っています。

リハビリテーション科の皆さん
心配性だった1年目。相談窓口になってくれたプリセプターの存在
新卒で入職するとき、やはり職場の人間関係は気になりました。
私が入ったときは、2〜3年目の年齢が近い先輩があまりいなくて、4年目から上の方が多い環境でした。同期も私ともう1人の理学療法士、作業療法士の3人だけ。先輩方は「めちゃくちゃすごい人たち」というイメージしかなくて、最初はとても緊張していたのを覚えています。ただ、その分すごく頼りがいのある先輩方でした。
新人には、プリセプターのような形でサポート役の先輩がついてくださいます。私についてくださったのは、8〜9年目くらいの先輩でした。その方が相談窓口になってくださって、随時報連相をしてアドバイスをもらう、という進め方でした。窓口になってくれる先輩がいたことで、本当に相談しやすかったです。
私はもともと心配性なタイプで、1年目はとにかく不安でした。リハビリをうまく進められているのか、この評価や治療で大丈夫なのか。そんなとき、しっかり話を聞いてくれたうえで「大丈夫だよ」と言ってもらえたことで、とても安心できました。
私から声をかけに行かなくても、先輩の方から「大丈夫?」と声をかけてくださっていました。夜遅くまで残って治療内容を説明してくださったり、練習に付き合ってくださったり。そこまでしてもらえたから頑張れた部分は、確実にあります。
セラピストは、患者さんから「先生」と呼ばれる仕事です。経験が浅いうちは、本当にこれでいいのだろうかと不安になりますし、限られた期間の中で体力や筋力を上げられるだろうか、という心配も常にありました。でも、その心配性なところも、今の自信につながっているのでいいのかなと思っています。
「どうしても家に帰らせてあげたい」。期限ギリギリまで粘った80代の患者さん
これまでで一番印象に残っているのは、ご家族が「どうしても家に帰らせてあげたい」とおっしゃっていた、80代の患者さんです。
もともとは圧迫骨折で、腰の痛みもある方でした。ところが入院期間中に内部疾患を発症され、合併症のような状態になってしまって。体力がだいぶ落ちてしまったんです。寝ている時間が増え、血圧の問題もあって起き上がる機会も減り、その頃はほとんど歩けない状態でした。
熱発してしまうとリハビリはなかなか進みませんし、ご本人のしんどさもあります。強度を調節しながら進めるのは、本当に難しかったです。リハビリというと、怪我をして、手術をして、動きを良くしていくというイメージを持たれるかもしれません。でも実際には、病気の治療をしながら、その日の体調を見ながら、できることを少しずつ積み上げていく場面も多くあります。
それでも、ご家族の気持ちが本当に強い方でした。ご自宅に帰れば介護の負担が生まれます。それを不安に感じるご家族もいらっしゃる中で、あそこまで手厚く関わろうとされる姿を見て、こちらも必死になりました。練習の内容をいろいろ考えて、家屋調査もご家族と協力しながら進めて。入院期限は少し延びましたが、ギリギリまで粘りました。
結果として、どうにかトイレまでは歩けるようになり、ご希望を叶えることができました。ご家族はすごく泣いて喜んでくださって。あの経験ができたことは、本当に良かったと思っています。

リハビリの時間だけでは見えない。多職種で共有する患者さんの24時間
あのケースで実感したのは、一人では絶対に進められないということでした。地域連携の相談員さん、看護師さん、作業療法士。それぞれから情報を得ないとリハビリは組み立てられません。多職種との連携がしやすいことは、えびえ記念病院の特長であり、強みだと感じています。
看護師さんとよく共有するのは、夜間の患者さんの状況です。夜は起きているのか、お薬はどうか、点滴がついている時間、食事の状況。私たちがリハビリで関われるのは日中の限られた時間だけなので、それ以外の時間のことは、聞かなければ分かりません。だから、夜間の様子は必ず確認するようにしています。
看護師さんもソーシャルワーカーさんも話しやすくて、相談に乗ってくださる方ばかりです。PT・OT・STの垣根もなく、多職種と一緒に退院支援に関わっていける環境だと思います。
訪問リハビリが運んでくる、「こんなことまでできてるよ」の報告
2026年4月から、えびえ記念病院で訪問リハビリが始まりました。担当しているのは別のスタッフですが、良い変化を感じています。
自分が病院で担当した患者さんが退院された後、訪問リハビリのスタッフから「こんなにできるようになったよ」「こんなことまでできてるよ」といういい報告が届くようになりました。
これまでは、外部の訪問リハビリに引き継いだ後のフィードバックは、正直ほとんどありませんでした。分かるのは、うまくいかずに再入院してこられたときくらい。実際、再入院で状況を知るケースの方が多かったです。
自分が担当した方が在宅で頑張れていると聞けるのは、やっぱり嬉しいですし、自分のリハビリがどうだったのかを振り返る材料にもなります。
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すぐ相談できる環境
相談が飛び交うリハビリテーション科
3年目になり、新人指導に関わるようになりました。
心がけているのは、私が1年目に悩んでいたことを思い出しながら話を聞くことです。それと、私の先輩がしてくださったように、こちらから随時声をかけるようにしています。パニックになっていないか、今のキャパシティで大丈夫か。声をかけてもらえることの安心感を、自分が一番よく知っているからです。
一方で、後輩に説明することで自分が気づかされる場面も多くあります。どうやったら分かりやすく伝えられるだろう、と伝え方を考えるようになりましたし、そのために「これって合っていたかな」と学び直すこともあります。自分一人で仕事をしているだけなら、そこまで考えなかったと思います。
こうして相談したり教えたりしやすいのは、リハビリテーション科の雰囲気そのものだと思います。日頃から皆さんがよくディスカッションをしている環境で、「ちょっとこれなんですけど」と聞きに行きやすい。もちろん聞き方は大事で、「分かりません」と丸投げするのではなく、自分の意見を持って行けば、いろいろな先輩からアドバイスをもらえます。そうした環境は、そのまま自分の学びにつながっていると感じています。

整形からスポーツ疾患へ。一人で抱え込まずに、経験を積んでほしい
今後は、いろいろな疾患への理解をもっと深めていきたいと思っています。中でも興味があるのは整形外科疾患、そしてスポーツ疾患です。
えびえ記念病院には、スポーツ疾患を専門的に診ている医師がいて、その先生が担当された患者さんが入院されることもあります。野球やバスケットボールによる疾患の方、若い患者さんも結構いらっしゃるので、少しずつですが経験もさせてもらっています。数としては多くありませんが、タイミングが合って診られる機会があれば、そこでしっかり学びたいと思っています。
学生時代のバスケットボールを通して、目標に向かって努力し続ける力を身につけました。難しい症例に対しても諦めずに考え、学びながら取り組む姿勢は、そこで培われたものだと思います。これからも患者さんをさまざまな視点から見て、責任感を持って行動できる理学療法士を目指していきたいです。
これから入職される方に伝えたいのは、一人で抱え込まないでほしいということです。私自身、悩んだときは先輩に相談しながら学んできました。ここは、聞けばきちんとアドバイスが返ってくる場所です。若手のうちは周囲を頼りながら、いろいろな経験を積んでいってほしいと思います。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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